「今日は何を発信しよう」と毎回ゼロから考えていませんか? それは ブランドの軸が言語化されていない サインです。本記事では、発信に迷いが生じた時に立ち返るべき「ブランドの軸」の作り方を、フレームワークと一緒に解説します。
「発信に迷う」のはコンテンツ不足ではない
SNSやオウンドメディアで「ネタがない」と感じる時、たいていの場合 ネタが不足しているのではなく、判断基準が不足しています。世の中にネタは無限にあるのに、「これは自社が言うべきことなのか」を即決できないから、迷うのです。
そして判断基準= ブランドの軸です。軸が明確であれば、目の前のニュースや業界トレンドに対して「これは自社が触れるべき」「これは触れないべき」が瞬時に分かります。
ブランドの軸とは何か
ブランドの軸は、次の3つの要素で構成されます。
① 信念(Why)
事業を通じて何を実現したいのか、何が許せないのか。ロジックではなく、感情に近い領域です。「うちは正直さが命だ」「中小企業の経営者を救いたい」など、創業者・経営者の人生観に近いものです。
② 提供価値(What)
顧客にとって、自社が存在することで 何が変わるのか。サービスの説明ではなく、「変化」を言語化します。「コンテンツが書ける会社」ではなく「コンテンツを通じて、社長の言葉が社会に届く会社」のように。
③ 表現スタイル(How)
同じ価値を提供している会社と、何が違うのか。スタイル=立ち振る舞い、語り口、ビジュアルの方向性です。これは差別化の決定打になります。
軸を言語化する3つの問い
軸を頭の中だけで持っていると、SNSやサイトに反映する時に毎回迷います。次の3つの問いに、各3〜5行で答えてみてください。
Q1. 「うちは絶対にこれをしない」と決めていることは何ですか?
Q2. 顧客が「うちの会社」を5年後に紹介するとしたら、どんな一言を使って欲しいですか?
Q3. もし競合がそっくり真似してきたとして、それでも自社にしかない要素は何ですか?
この3問への回答が ブランドの軸ドキュメント です。SNSやコラムを書く時、迷ったら必ずこのドキュメントに戻って判断します。
軸を持っている会社のSNS発信例
例えば、「正直であること」を軸に置いている小さなコンサル会社があるとします。トレンドの新ツールが話題になった時、軸のない会社は「うちも使ってます!便利です」と乗っかります。一方、軸を持っている会社の発信はこうなります。
新ツール、私たちはまだ使っていません。多くの会社が導入を急いでいますが、「3ヶ月後に半数が使わなくなる」のがこの種のツールの常です。試すなら少額で、本格導入は3ヶ月後の評価を待ってからをお勧めします。
同じ話題に触れていても、軸があることで 「この会社らしい」発信 になります。これが信頼の積み上げになります。
軸はリブランディングするものではなく、再発見するもの
軸を作ろうとすると、「新しく決めなきゃ」と力が入りがちですが、実際は逆です。すでに自社が大事にしているものを発掘して、言語化する作業です。創業時の言葉、経営者がよく口にする言い回し、お客様から実際に言われた感謝の言葉。それらの中に、軸の素材は必ず眠っています。
具体的な発掘方法
- 過去のお客様からの感想・推薦文を10件読み返す
- 創業時の事業計画書、最初のWebサイトの文章を見直す
- 社内で「うちの会社で絶対やらないこと」を全員で書き出す
- 3年後にどんな会社と呼ばれたいか、経営者の言葉で書く
これらを並べると、共通して浮かび上がる単語や言い回しがあります。それが軸の核です。
まとめ
発信に迷うのは、ネタ不足ではなく 判断基準の不足。ブランドの軸を言語化しておけば、毎日の発信は「ゼロから考える作業」ではなく「軸に沿って引き出す作業」になります。
軸ドキュメントは1度作って終わりではなく、半年に1度、お客様や事業環境の変化に合わせて再発掘するのが理想です。